長い間の乾燥を経た木材は、歪みや曲がりといった曲(くせ)が ほとんど出ることがない、その材料をより活かして行くため、さらに部分ごとの木質、長さ、幅などを考慮して材料に墨を付ける、切り口が材料の表面と垂直で平らになるように墨印に従ってノコギリで部材を切っていく。木組による厳密な組立が必要な中台の神輿には、重要な作業である。
木地は、木地師と呼ばれる職人が手がける、木地師は神輿の形を作るという神輿づくりの中でも1番の要となる職人たちである。木取りした木材をひらがきと呼ばれている小刀で部材の形に合わせ墨付け(線を引くこと)をする中台の神輿は釘を使わずに木組という技法で作られているため、ミリ単位の精度が必要とされる、よってより正確な墨付けと精密な加工技術が要求される。
神輿の木地は大きく分けて 台輪、胴、枡組、屋根と4つに分かれるその中でも1番難しいとされる屋根を作れるようになるまでには、およそ10年の修行が必要となる。