こだわりの10ステップ
材料の選定
材料の選定は、300年以上経過した目の詰んだ粘りけのあるものを選ぶ。木心を見極め神輿のどの部分に使うか決める。
木取り
製材を終え、10年以上ねかせた材木を各部材の寸法に合わせ、墨付けを行い切断する。
木地加工
神輿の形を作りだす材木が神輿に生まれ変わる最初の工程。
この作業では、様々な道具と木地師の技によって、台輪・堂・鳥居・囲垣・斗組・屋根などを部品ごとに製作し、仮組を行う。
彫刻
様々な彫刻刀を使い、彫師の手により一枚の木が躍動感のある彫刻へと生まれ変わる。
錺金具型取り
神輿の錺金具を製作するため、各部に合わせた型紙を製作する。
漆塗り(下塗り)
神輿の屋根・台輪は、下処理を行い木の継ぎ目を割れないようにして寒冷紗(布地)をはり、下地(砥粉と漆を混ぜた物)をヘラ付けし、乾燥させ水研ぎをする。
下地はこの塗り・研ぎの工程を数回繰り返して硬く丈夫な下地を作り、中塗り漆を塗り、乾燥させる。
漆塗り(上塗り)
中塗りを終え乾燥した部分を水研ぎして、通し刷毛(漆塗り専用の道具)を使い上塗り漆を塗り、温度・湿度を調整した乾燥室に入れ、ほこり等つかない様、細心の注意を払い乾燥させる。
錺金具加工
型紙に合わせた真鍮板に鏨などを使い、柄を刻んだ後、金メッキを施し完成する。
金箔押し
漆を塗り終えた神輿に、箔ばし(金箔押し専用の道具)を使い一枚一枚張綿で押さえ乾燥させ、綿や刷毛を使い仕上げる。
組み立て
すべての工程を終え、錺金具を取りつけ、組み立てて神輿の完成となる。
こだわりの16ステップ
本体解体
神輿本体の解体。
屋根・枡組・堂・鳥居・囲垣・垂木等を取り外す。
錺金具外し
本体に付いている錺金具を取り外していく。
大鳥・小鳥解体
リベットとボルトで組み上げている箇所をすべて解体する。
瓔珞解体
つないである針金を切り、メタル・ビーズ・花菱・鈴を分け解体する。
金具破損箇所修復
金具の破損箇所の修復やその他使用不能な金具の製作(大鳥の羽修復・垂木金具新規など)
金具均し
錺金具均し(歪みや曲がりを矯正)
錺金具点検(使用可能・不能の判断)
本体洗い
神輿本体の汚れを薬品を使用し除去する。
木地直し
神輿本体の緩み直し・蕨手付け根部分の調整など、木部の修復作業。
本漆塗り
漆塗り部分の破損箇所を補修し、古い漆を研ぎ新たに漆を塗り仕上げていく。
金箔押し
古い金箔を落とし、新たに金箔を押す。
(彫刻裏板・桝組・軒面・他)
メッキ加工
古くなったメッキを落とし新たなメッキを施す。
彩色
彫刻に色を付ける。
大鳥・小鳥組み立て
金メッキを施した各部材をリベットとボルトで組み上げる。
瓔珞つなぎ
解体して部品ごとにメッキを施したメタルとビーズを針金で元のようにつなぐ。
錺金具取り付け
メッキを施した金具を、真鍮に金メッキをした釘を使い(一部ビス)本体に取り付ける。
本体組み立て
錺金具を取り付けた各部を組み立てて、 神輿の完成となる。